ホワイトルーム: スノーボーディングを新たな時代へと導く進化、その開発秘話
ブランド誕生以来、常にBurtonはイノベーションと共にあります。
新しいプロジェクトは、必ず1つのアイデアから始まります。Step On™のケースで言うと、数名のBurton社員が発した言葉がキッカケでした。その”数名”のなかには、ブランド創設者のジェイク・バートン・カーペンターも含まれています。
「何年もの間、ハードグッズのクルーや研究開発チームに、もっと便利なプロダクトを作るべきだと口を酸っぱくして言ってきました」とはジェイク。そして、「期待は非常に大きなものでした。ほんの少しでもプロダクトに妥協するのは嫌だったのです」と続けました。
装着感とパフォーマンスに一切の妥協がないストラップレスシステム……。無理難題のようにも聞こえますが、当時のオフィスは、決して不可能なことではないという空気で満ちあふれていました。そして、このトップシークレットのプロジェクトに専念するため、最高のデベロッパーたちが集まる特別チームが結成されたのです。それから数年の月日が経ち、Step On™が誕生しました。
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エンジニアでありマッドサイエンティストでもあるクリス・ドイルによると、「キミたち4人には、今やっていること全てを忘れてほしい。デスクを移動して、今日からは新しいプロジェクトに専念するように」と言われたようです。
彼らはCraig’sプロトタイプ工場へと引越し、Step On™開発のためだけに新しい部屋を作りました。その部屋はホワイトルームと呼ばれ、そこでは”スノーボーディングを新たな時代へと導く進化”の実現以上に優先されることなど存在しなかったのです。
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「その部屋には、俺たち4人しかいなかった。互いを凝視する4人しかね。そして、ホワイトボードには2つの言葉が書いてあった。快適と便利という言葉さ。それに対して異論を唱える者はいなかったよ。みんな、自分自身が使いたくなるようなプロダクトを作りたいんだ。そして、テリエも使いたくなるようなものを!」とは前述のクリス。
アイデアは可能性の幅を広げます。彼らは思いつく限りのあらゆるものを試しました。マグネット、ビス、粘着性物質……、ホワイトルームでは数え切れないほど膨大な量のアイデアが飛び交い、同時にいくつものコンセプトがプロトタイプに落とし込まれました。こういった試行錯誤の末、ついに3つのコネクションポイントというアイデアが生まれたのです。そして、これこそストラップバインディングに最も近いフィーリングを得られる理想形だという結論が導き出されたのです。そこからは、オンスノーとラボで耐久性とパフォーマンスの厳しいテストが行われました。
テリエも使いたくなるようなものを!
バーモント州バーリントンの本社敷地内にあるCraig’sプロトタイプ工場がなければ、このプロジェクトは成功しなかったでしょう。遠方の工場からプロトタイプの到着を待つのではなく、ほんの1時間で数パターンのプロトタイプを製作し、その日のうちにオンスノーでテストできるのですから……。
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全ての懸念事項をクリアし、全てのモデルを疑う余地のないほどのバッドコンディションでテストしました。BurtonのCEO、ドナ・カーペンターは、初めてオンスノーでStep On™を使ったときの感動が忘れられないと言います。
「初めてオンスノーで使ったのはチリだったわ。スノーコンディションはあまり良くなかったの。ハードパックでスティープ。正直、ダメ出しすることになりそう……なんて思っていたわ。でもビックリよ。だってストラップバインディングと変わらない感覚だったの」とドナ。
研究開発プロセスの最終段階は、リビングレジェンドのテリエ・ハーコンセンがStep On™をどう思うかでした。彼は、自分が気に入らないものは絶対に使いません。まず、Craig’sプロトタイプ工場内のカーペットの上で試してもらいましたが、どうやら興味を示しているようでした。その後、彼はマウントベーカーのLegendary Banked Slalomやコロラド州ベイルでのローンチイベントでもStep On™を使っていました。つまり、Step On™の研究開発プロセスはコンプリートしたということです。Step On™誕生の裏には、世界最高レベルのライダーたちのサポートも欠かせなかったのです。
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