The Burton Blog

アーカイブから学ぶBurtonの歴史: ライダードリブンが導いたプロダクトの進化

ブランドの誕生以来、常にBurtonはチームライダーの声に耳を傾けてきました。

スノーボードのプロトタイプからStep On®︎の開発まで、常にBurtonはチームライダーの声に耳を傾け、彼らのフィードバックを頼りに新たなプロダクトを生み出してきました。1年を通して世界中を旅するチームライダーは、考えられるあらゆる条件下でプロダクトをテストしています。数え切れないほどのターンを通して得た知識は、Burtonプロダクトをより良いものにするうえでとても貴重なのです。彼らは最も厳しい批評家であり、同時に最も信頼できる協力者でもあります。

冬が間近に迫ってきた今、特にチームライダーの意見が色濃く反映された過去のプロダクトをピックアップすることにしました。まず、BurtonのアーキビストであるTKことトッド・コールマンに、過去の名作から製品化されなかったものまでを洗い出してもらい、そのなかからお気に入りを選んでもらいました。次に、ハードグッズチームとソフトグッズチームの力を借りて、各プロダクトの歴史的背景への理解を深めました。ぜひここで、現代のプロダクトに通じるライダードリブンの革新を学んでください。

1980年代

The Burton Riding Suit (1985):

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「Burtonには、ジェイクの手書きのメモやデザインに命を吹き込んで製品化するという、とても素晴らしい伝統があります。ジェイクは、いつも自分のビジョンをノートに描いていました。細部にまでこだわり、それを視覚的に見せることを重視していたのです。ジェイクからメモを渡されることは、プロダクトの開発者としては本当に光栄なことでした」

- レズリー・ベッツ(シニアグローバルプロダクトラインマーチャンダイザー)

「このRiding Suitは、市場に出まわっているスキー用アウターウェアでは満足できないというジェイクの考えを示しているだけでなく、スノーボーダー専用にデザインするというライダーファーストな精神を表しています」

- キャム・マッキー(グローバルプランナー)

AnalogやRonin、そして[ak]が誕生する前から、BurtonにはRiding Suitがあったのです。

ジェイク・バートンのラフなスケッチをベースにしたRiding Suitは、1984年にBurtonが初めて作ったアウターウェアです。この防水性のある(?)ワンピースは、スノーボーダーのことだけを考えてデザインされました。スケッチには、しっかりと「裾はスキーブーツ用じゃないもの」と書かれています。チームライダーによってアップデートが繰り返され、1985シーズンに販売がスタートしました。

1990年代

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The Freestyle Binding (1994):

「今もなお、クレイグ・ケリーはBurtonのプロダクト開発におけるメンター的存在です。もちろん、プロトタイプ工場をCraig’sと名づけたのにも理由があります。新しいプロダクトを開発するとき、常にライダーを最優先に考えることを忘れないためです。プロダクト開発とライダー視点のバランスは、Burtonが絶えず追求していることなのです」

- スコット・ケラー(デザインエンジニアリングマネージャー / ハードグッズ)

「私たちにとって進化とは、新しいライディングやフィールを見つけ出すために試行錯誤を繰り返すことです。Burtonハードグッズは、「こうしたらどうかな?」といったライダーのリクエストを実現することで進化してきました。イノベーションとは、アイデアだけで達成できるものではありません。実際に行動し、何が上手くワークするのかを見つけ出すまで、何度も何度も失敗を繰り返すことで生まれるのです」

- スコット・シーワード(シニアマネージャー / ハー​​ドグッズアドバンスデベロップメント)

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1994シーズンのFreestyleは、クレイグ・ケリーが愛用していたバインディングで、自らカスタムしたタンがストラップの間に付けられていました。常に試行錯誤していたケリーは、タンをプラスすることでレスポンスを高めつつ、十分にトゥイークできるだけの遊びを確保できると考えたのでしょう。当初はダクトテープで固定されていましたが、プロダクトチームが改良を加え、結果として店頭に並ぶことになったのです。

The Free Light Shell (1991):

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「私はトレンドの周期を観察することが大好きなのですが、こちらのFree Light Shellは、今見てもまったく違和感がありません。80年代から90年代にかけて、自分の両親がどんな風に過ごしていたのか気になっているZ世代も、これを見れば容易に想像できるでしょうね」

- キャム・マッキー(グローバルプランナー)

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「そろそろ復刻させるべき?」 - クリス・カニングハム(シニアバイスプレジデント / グローバルプロダクト)
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大胆かつ派手なプリントは、今ではスノーボードウェアの代名詞的存在と言えます。しかしながら、そうとは言えない時代があったのも確かです。チームライダーのリクエストから誕生したFree Light Shellは、Burton初のプリントジャケットです。『パートリッジファミリー』が元ネタだという噂もありましたが、実はサイケデリックなパターンとサーフウェアにインスパイアされたネオンカラーを組み合わせたものでした。

The 2-Tongue Boot (1993):

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「2-Tongue Bootは、常識を覆した成功例です。「変化するための変化」はプロダクトデザイン上ナンセンスなことですが、優れたパフォーマンスを求めて殻を破ることは真のイノベーションと言えます」

- スコット・シーワード(シニアマネージャー / ハー​​ドグッズアドバンスデベロップメント)

「そのシェルパターンとレーシングを見ても、スノーボードの歴史において2-Tongue Bootは特に際立ってユニークなものです。マニアたちがブーツの歴史について語るとき、必ずと言って良いほど話に出てくるくらいです。ローワーシェルがラバー製のため軽くはありませんが、逆にMINE77でリリースしたときには大幅に改善することができました」

- エリック・カールソン(シニアグローバルプロダクトラインマーチャンダイザー)

このアイコニックな2-Tongue Bootは、人気フリースタイルブーツをベースに、革新的なフレックスを実現することで信じられないほどトゥイークしやすくなりました。トゥイークの神とも称されるジェフ・ブラッシーからのインプットによってデザインされ、それまでのレーシングシステムを再考し、ブーツのフレックスに革命をもたらしたのです。2020年には、MINE77で再び製品化され、現代版トゥイークの王様、ダニー・デービスのお気に入りとなりました。

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The Ruler Boot (1997):

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「RulerはBurtonブーツの代表作であり、スノーボードで言うところのCustomです。まさに不朽の名作ですね」 – トッド・コールマン(アーキビスト)
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「最初のサンプルを受け取り、初めてテストしたときのことを今でも覚えています。Rulerは、当時のBurtonブーツのなかでも群を抜いてイケてるデザインでした。それが今日でもカッコ良いのですから、本当にすごいことですよね」

- ボニー・ブロック(グローバルテストマネージャー)

Burtonで最も長くリリースされているブーツ、Rulerが初めて世に出たのは1997年のこと。当時は、多くのフリースタイルライダーがバックカントリーへ進出し始めた頃でした。優れたレスポンスとフリースタイル性を併せ持ったRulerは、Burtonのチームライダーが全面的に開発に携わったものです。あれから24年が経った今でも、定番ブーツとして高い人気です。

2000年代

The [ak] Jacket & Hi-Top Pant

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あまり知られていないのですが、今では当たり前となっている多くのアウターウェアテクノロジーは、業界初として [ak]コレクションが世に出したものなのです
– クリス・カニングハム(シニアバイスプレジデント / グローバルプロダクト)
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スノーボードが進化するにつれ、徐々にライダーたちはリゾートやリフトを離れていきました。この流れに伴い、ギアも進化させる必要があったのです。このジャケットとパンツは、まさに「ライダードリブンによるイノベーション」の完璧な例と言えるでしょう
– スコット・シーワード(シニアマネージャー / ハードグッズアドバンスデベロップメント)

2000年代は、ビッグマウンテンフリースタイルの時代です。 デイブ・ダウニング、クレイグ・ケリー、ヴィクトリア・ジェラウスの革新的なライディングに導かれるように、スノーボーダーのスタイルを維持しつつ、技術的にも最先端のバックカントリーギアが求められるようになりました。そこで[ak]の登場です。チームライダーの意見が色濃く反映された初代セットアップ、[ak] JacketとHi-Top Pantは、瞬く間に定番となりました。20年が経った今でも、[ak]はバックカントリースノーボードギアの最先端を突き進んでいます。


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