Alekesam: セレマ・マセケラとチェイス・ホールによるボード開発の裏側
セレマ・マセケラとアーティストのチェイス・ホール、そしてFamily Tree。トリプルコラボで誕生した新たなFamily TreeそれがAlekesamです。人種や肌の色に関係なく、誰もがスノーボードを楽しめることを象徴する1本です。
セレマ・マセケラ(以下、セレマ)は、過去20年にわたってスノーボードシーンで最も信頼され、影響力のあるコメンテーターの1人として知られています。近年は、Burtonの取締役として参画したり、X Gamesのスポーツカルチャーチーフに就任したりとコミュニティの中でさまざまな新しい役割を担っています。また、Alekesamという名前で音楽活動をするなど、ほかの分野へも積極的に挑戦しています。彼は、スノーボードコミュニティの多様性を推進する最も著名な人物の1人であり、Culture Shiftersといったイベントの企画を通して、スノーボードの裾野を広げています。その活動の1つとして、誕生したのが彼の名前を刻んだボードAlekesamです。
自分の名前が入ったスノーボードを持つということがどういうことを意味するのか。それを説明するのはとても難しいのです
「Transworld Snowboarding Magazineで電話対応をしていた21歳の私が、今の私を見たらどう思うだろう?」「彼は、一体何が起きたんだ?どうやったらこんなことになるんだ?って感じになると思うよ」とセレマは語ります。
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2023年、BurtonのハードグッズチームはセレマにFamily Treeの新作を一緒に共同開発しないかと声をかけました。彼らは、セレマが持つデザインアイデアに基づき、プロトタイプの制作に挑みました。「このテール形状が本当に最高なんだ。私が大好きなサーフボードの1つで最高に楽しいツインフィンにインスパイアされたものを形にしたんだ。圧雪でも気持ちが良いし、パウダーの日には最高の滑りができるハリのあるボード、まさにこのボードがその答えなんだ」とセレマは語ります。
グラフィックに関しては、セレマの頭の中ですでに決まっていました。グラフィックに採用するアートについて話しになったとき、セレマはこう言いました「このボードをグラフィックができるのはチェイス・ホールだけだ」。
セレマとチェイスは数年前に出会い、スノーボードカルチャーへの共通の情熱と歴史的に白人が大多数を占めていたコミュニティで黒人ライダーとして彼らが経験したことをキッカケに、すぐに意気投合しました。セレマはチェイスが90年代後半から2000年代初頭にかけて、スノーボードのグラフィックにインスパイアされてアートの世界に足を踏み入れたことを知りました。それ以来、セレマはBurtonのボードデザインで彼をフックアップすることをイメージしており、Alekesamはその絶好の機会だったのです。
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「彼は、黒人がなじみのない空間で黒人のイメージを表現するような仕事をしていたんだ。彼の作品は私たちが普段慣れ親しんでないような方法で、世界中の黒人を表現し、私たちの無限の多様性の強さやパワーを称えるものであった。色の使い方、特に褐色の肌色や質感は、本当に力強いものだよ」
「長い間、私のような黒人はスノーボードシーンにおいて一握りの存在でした。コミュニティの中で、まるで浮いていたのです。黒人がスノーボードをやっていることで、異質な存在と思われていたのです」とセレマは語ります。
「今、私は私と同じような、あるいは従来のスノーボーダーと呼ばれる人たちとは異なる外見を持つ次世代のスノーボーダーに、ここは私たちの場所でもあり、存在を認められ雪山を楽しむことができるのだということをできるだけ多くに人に理解してもらうために力を尽くしています」
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「私はこの板を持ってスノーボードをできることが、私たちのコミュニティにとってどんなに大きな価値があるのかということについて日々戦っています。スノーボードをできることが、当たり前のことだとは思っていません。BurtonとAlekesamという板を作ることができたことは、私のスノーボード人生にとって大きな節目なんです。ここからは滑り降りるだけです」
セレマ・マセケラとチェイス・ホールの今後の動きに引き続き注目してください。